ローカルボクサーと貧困世界〔増補新装版〕
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著者名 | 石岡 丈昇 |
出版社名 | 世界思想社 |
ISBNコード | 9784790717898 |
発売日/出版年度 | 2024年01月17日頃 |
商品説明
日本の興行にも必要な「敗者」を供出する、フィリピンの貧しいボクシングジム。ここで著者が寝食を共にした裸一貫の拳士たちの、真の闘いに注目せよ。もう、財力にお膳立てされた「スポーツ」が物足りなくてしょうがない。--(藤原辰史 歴史学者)
ここで問われているのは、「人々はどのようにして生きているか」という普遍的な問いだ。まるで、息を止めて冷たく暗い夜の海に深く潜るように、石岡丈昇は現場に入っていく。--(岸政彦 社会学者)
寝食を共にする調査によって描き出された、ボクサー達の生き様。国際的なマーケットに組み込まれ、闘い続ける彼らはどんな人生を生きているのか。岸政彦氏による解説、ボクサーたちのその後を描く「後章」を加えた、待望の増補新装版。
序 章 ローカルボクサー世界から
1 ローカルボクサーの社会学
2 貧困世界とのつながり
3 住み込み調査と身体文化への着目
第1章 ローカルボクサーの身体文化への方法的接近
1 ローカルボクサーへの接近
2 第三世界スポーツ論の問題構制
3 「スポーツ社会学のための計画表」と二重のフレーミング論
4 マニラ首都圏のローカルボクサーへ
第2章 ボクシングジムの空間構成
1 Eジムのボクサーと非ボクサー
2 Eジムのコンテクスト
3 ボクサーの属性
4 〈全体的空間〉としてのジム
第3章 ボクサーになるーー集団競技としてのボクシング
1 ジムの日常の深みへ
2 ボクサーになる
3 ジムワークにみる実践理性
4 サクリフィショという倫理
5 女性の排除形式
6 集団競技としてのボクシング
第4章 ボクシングマーケットの構造ーー敗者の生産の仕組み
1 ボクシング試合と敗者の生産
2 試合をめぐるボクサーの性向
3 ボクシングマーケットの政治経済
4 国際試合の交渉過程と「敗者の生産」
5 ボクシングキャリアの分類化
6 社会的選別と身体のトレード
第5章 互酬性の中のボクサー身体ーー引退ボクサーの日常
1 引退ボクサーの日常へ
2 スクオッターを生きる
3 スクオッター生活の窮状
4 引退ボクサーの暮らし
5 互酬性の中のボクサー身体
終 章 裸一貫のリアリティへ
1 ローカルボクサーの生活実践
2 裸一貫のリアリティを見据えた身体文化研究へ
後 章 その後のボクサーたち
1 ラフィーー単身での子育て、そして料理人へ
2 ステラーーフィットネスジムの運営を軌道に乗せた敏腕経営者
3 ロセリトーーフィットネストレーナー、妻子の移住、女子ボクシング
4 ロイーー総合格闘技、中国への移住
5 ジェイソンーー日本への移住
注/あとがき/増補新装版あとがき/図表一覧/文献/索引
解 説 時間/身体/人生 (岸 政彦)