解離性障害(続)

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著者名 | 岡野憲一郎 |
出版社名 | 岩崎学術出版社 |
ISBNコード | 9784753310289 |
発売日/出版年度 | 2011年09月 |
商品説明
●解離の患者は治療者のもとにたどりつくまでに様々な誤解や曲解を経験しているだけでなく,その病歴や症状の経過は非常に複雑で,治療者を圧倒し,混乱させる。本書は,ヒステリーの歴史から最新の脳科学的研究まで,多様な視点から驚くべき解離のメカニズムに迫ることで,正しい診断への道をひらく。
●目次
まえがき──なぜ続編を書くことになったか?
第1部 現代における解離
第1章 多重人格という心の不思議 第2章 解離性障害の現代的な意義
第2部 解離の歴史
第3章 精神分析理論からみた解離 第4章 ヒステリーの概念からいかに解離が生まれたか?
第3部 解離とストレス
第5章 解離はどうして起きるのか? 第6章 「関係性のストレス」の概念の発展
第4部 解離のメカニズム
第7章 心的外傷とレジリエンス──「解離しない能力」 第8章 身体レベルでの解離──転換症状をいかに捉えるか?
第5部 脳科学から見た解離
第9章 隠れた観察者 第10章 スイッチングのメカニズムについて
第6部 解離をいかに治療するか
第11章 まずは心理教育から 第12章 解離性障害の治療の際の基本的な心構え 第13章 各種の治療技法 第14章 症例Aの治療を通して 第15章 メールを用いた解離性障害の治療の効用 第16章 「火山モデル」を用いた説明 付章 座談会「解離性障害によりよく対応するために──その出会いから症候学まで」(岡野憲一郎,奥田 ちえ,柴山 雅俊,野間 俊一)
参考文献/あとがき/人名索引/事項索引
* * * なぜ続編を書くことになったか?
本書は私の解離に関するモノグラフ 『解離性障害』(岩崎学術出版社,2007,本書では「前書」と呼ぶことにする)の続編である。前書を発表して4年ほどたつが,その問に私は解離というテーマについてさらに多くのことを体験し考察 してきた。その内容を学術誌に発表したものに大幅な加筆修正を施 した上で,新たに書き下ろし部分を加えたのが本書である。解離性障害を持つ患者の方々との日々の臨床は,依然として驚きや発見の連続であり,表現して世に問いたい内容は常に浮かんでくる。本書はそれらに形を与えたものである。本書にはまた前書の内容を補っている部分がある。前書では解離の研究の歴史に関しては十分扱っていなかった。本書ではヒステリーがその概念の発展の歴史の中でいかに誤解と差別の対象となってきたかについて論 じ,特にジャネとフロイ トの確執が生じた経緯についてもページを割いた。また解離の問題を読者により身近に感じていただけるように,私自身が海外体験を通して解離の問題と出会った経緯についても記 した。さらには解離の身体性の問題についても論じ,いわゆる転換症状についても解離の文脈に組み込んで論じた。前書から引き継いだ「関係性のストレス」というテーマについても議論を進め,また治療論についても少 し補強 した。本書により,今の時点で私なりの解離に関する理解や理論をかなり広くカバーすることができたと感じている。ただし本書の内容はまた前書を下敷きにした部分もあるため,両者をつきあわせて読んでいただけたらと願う。本書の多くの部分は書き下ろしであるが, いくつかの章については,もとになる論文を大幅に加筆修正 したものである。(「まえがき」より)