日本医療の近代史(237)
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著者名 | 宗前 清貞 |
出版社名 | ミネルヴァ書房 |
ISBNコード | 9784623088669 |
発売日/出版年度 | 2020年03月21日頃 |
商品説明
近代医療の制度化を歴史的に俯瞰する
技術・保険・供給の各要素から医療を包括的に展望し、医療制度史と福祉国家研究を接続する。
これまでの政治学研究では、医療問題を社会保障の一環、あるいは福祉国家研究の一分野として扱ってきた。ところで日本の医療システムは、経済的負担が軽い一方で衛生状態は総じて高い。後発の福祉国家としてなぜ医療制度だけが突出して発展しているのか。こうした特性はいつ、どのように生じたのか、本書は歴史的経緯を丹念にたどり、医療面における日本の近代化過程を解明する。さらに、医療と福祉国家の関係についての新たな視野を提示する。
序 章 医療制度の政治学
1 問題の所在
2 探求の手がかり
3 医療制度に関する先行研究
4 本書の構成
第1章 歴史の中の医療
1 神殿と思弁──古代の医療
2 城壁の医療とルネッサンス──中世の医療と科学革命
3 病院と実験室──近代医学の誕生
4 麻酔・消毒・看護──外科の時代
5 医療と社会保障──医療政治の始まり
小 括
第2章 日本の医療──近世と近代における源流
1 歴史の中の日本医療
2 西洋医学の導入と医制
3 医師養成と大学
4 病院と軍隊
5 衛生行政
小 括
第3章 社会化する医療──戦争と福祉の政治過程
1 問題の所在
2 戦前の社会政策──社会保障制度の発達と医療
3 貧窮化する都市と農村
4 国民健康保険の成立と衛生国家
5 戦時医療体制の形成と破綻
小 括
第4章 民主化と占領下の医療制度──戦後医療制度の再建
1 占領体制下の医療行政
2 医療体制の変革──医育と病院の整備
3 健康保険の中の医療
4 医師会の出現と政治的利益
5 地方自治と保健行政
小 括
第5章 拡大する医療──高度成長期の医療政治
1 国民皆保険の成立
2 疾病構造の転換
3 病院の発展
4 開業医と病院の対立(1)──武見体制の確立
5 開業医と病院の対立(2)──病院団体の分裂
小 括
第6章 医療の変化と抵抗──戦後医療制度の転換点
1 高度成長期の政治変化──革新自治体の誕生と成長
2 診療報酬政治の激化──武見体制における日医と厚生省
3 医師養成の拡大──新設医大の政治過程
4 健康保険制度の危機──制度の抜本改正に向けて
小 括
第7章 管理の中の医療──ポスト高度成長期の医療
1 保険医総辞退──医療ゼネストと政治
2 その後の診療報酬政治
3 福祉見直しの政治学──高齢者医療費問題の浮上
4 医療費亡国論と新自由主義──疾病構造の転換とアイディア
小 括
終 章 医療政治の変化と未来
1 リサーチ・クエスチョンへの答え
2 本書の研究上の意義
参考文献一覧
あとがき
人名索引
事項索引