21世紀の戦争と政治
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著者名 | エミール・シンプソン/吉田朋正/菊地茂雄 |
出版社名 | みすず書房 |
ISBNコード | 9784622096733 |
発売日/出版年度 | 2024年03月19日頃 |
商品説明
対立する二陣営が戦い軍事的な優劣によって政治的取り決めを行う。こうした旧来の戦争を自由陣営が今後主体的に戦うことはほぼないだろう。21世紀に欧米が関わった新しい戦争の本来の目的は治安の確立維持で、戦果ではない。そこでは戦争は政治の直接的な手段となっている。
英陸軍士官としてアフガニスタン紛争を戦った(2006-12年)著者は、欧米がそれを旧来の戦争概念で捉えたために暴力を拡散する結果を招くのを見た。本書はその戦場から放たれた批判の書であり、オックスフォード大学の歴史学徒であったこの青年による著作を、軍事史の大家マイケル・ハワードは「クラウゼヴィッツ『戦争論』の終結部と呼ぶに相応しい」と激賞した。
武力を否定しない点でこれは反戦の書ではない。所謂「テロとの戦い」の正当性は疑うべきだ。しかし本書の理論が実践されれば愚かな戦いは減るだろう。現代の戦略思考はオーディエンスへの説得力を具え、合理性、感情、道徳的一貫性への配慮を必要とする。問題は勝敗ではなく、戦闘は意味を付与される言語なのである。「この議論がもたらすパラダイムシフトは戦場を遥かに越えて意味をもつ」(ニーアル・ファーガソン)。戦争を問う現代の必読書。
序ーー戦争のナラティヴ サー・マイケル・ハワード
序論
第一章 戦争の言語
第二章 クラウゼヴィッツ的戦争と現代の紛争
第三章 グローバル化と現代の紛争
第四章 戦略的対話と政治的選択
第五章 自由陣営と戦略的対話
第六章 プラグマティズムと作戦の思考
第七章 ボルネオ紛争(1962年ー66年)における英国の戦略
第八章 戦略ナラティヴ
第九章 戦略ナラティヴにおけるエートス、ヴィジョン、信頼
結論 現代の戦略思考
謝辞
訳者あとがき
原注
索引