高圧下水素化物の室温超伝導

高圧下水素化物の室温超伝導

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商品情報

著者名 須藤 彰三/岡 真/有田 亮太郎
出版社名 共立出版
ISBNコード 9784320035461
発売日/出版年度 2022年01月08日頃

商品説明

超伝導は物質が示す最も興味深い量子現象の一つである。超伝導状態への転移は通常とても低い温度で起こるが,これが室温で起こるような物質が存在するだろうか,という問題は大変興味深い。この問題について,近年,高圧下における水素化物の超伝導が注目を集めている。2015年に高圧下の硫化水素によって,これまで銅酸化物高温超伝導体が保持していた転移温度の最高記録が塗り替えられたあと,新しい水素化物の高温超伝導体が次々と発見され,室温超伝導の報告もなされるようになっている。
 水素化物における超伝導の研究は,金属水素における高温超伝導の可能性が考察された1960年代に遡ることができる。歴史上,実験にさきがけて理論計算が新超伝導体の発見を正確に予測した例はほとんどないが,水素化物超伝導体は大変珍しい例外で,これまでいくつかの高温超伝導体の結晶構造と転移温度が精密に計算され,実験研究に具体的な指針を与えてきた。本書は,この理論計算の果たしている役割に焦点を当てて最近の進展を解説したものである。
第1章 高圧下水素化物の室温超伝導
1.1 高圧下水素化物の研究の歴史
1.2 高温超伝導の発見
 1.2.1 H3S
 1.2.2 LaH10

第2章 超伝導体の構造予測
2.1 ポテンシャルエネルギー曲面
2.2 ランダム構造探索法
2.3 粒子群最適化法
2.4 進化アルゴリズム
2.5 擬似焼鈍法とベイスンホッピング法
2.6 極小値ホッピング法
2.7 メタダイナミクス

第3章 超伝導の第一原理計算
3.1 はじめに:何を計算しなければならないか?
3.2 格子振動とその量子化
 3.2.1 格子振動の計算
 3.2.2 格子振動の量子化
3.3 電子状態計算:密度汎関数理論
 3.3.1 ホーエンベルグーコーンの定理
 3.3.2 コーンーシャムの方法
 3.3.3 局所密度近似
 3.3.4 バンド計算
3.4 フォノンの計算:密度汎関数摂動論
3.5 電子格子相互作用
 3.5.1 原子の変位と電子格子相互作用
 3.5.2 電子格子相互作用に媒介された電子間引力
3.6 遮蔽された電子間相互作用
3.7 非調和振動
3.8 BCS 理論
 3.8.1 グリーン関数の運動方程式
 3.8.2 ギャップ方程式の解
3.9 エリアシュベルグ理論
 3.9.1 グリーン関数の運動方程式
 3.9.2 南部形式
 3.9.3 等方的ギャップ方程式
 3.9.4 遅延効果
 3.9.5 転移温度の近似式
3.10 超伝導密度汎関数理論
 3.10.1 コーンーシャムーボゴリューボフード・ジャン方程式
 3.10.2 ギャップ方程式
3.11 計算精度について

第4章 代表的な水素化物超伝導体
4.1 PdH
4.2 H3S
4.3 LaH10
4.4 三元素系

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