孝経 儒教の歴史二千年の旅
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著者名 | 橋本 秀美 |
出版社名 | 岩波書店 |
ISBNコード | 9784004320500 |
発売日/出版年度 | 2025年01月20日頃 |
商品説明
東アジアで『論語』とならび親しまれてきた『孝経』は、儒教の長い歩みを映し出す鏡のような存在だ。古代における経典の誕生と体系化、解釈学の興亡と皇帝によるテキスト編纂、失われた書物をめぐる日中の学問交流、そして「孝」の教えをめぐるせめぎ合いーー小さな古典から、儒教の大いなる流れをスリリングに案内する。
序 章 『孝経』が映しだす儒教の歴史
前近代東アジア共通の「教科書」
日本における受容は奈良時代にさかのぼる
儒教の歴史を映しだす「鏡」
『孝経』は親孝行を説く経典?--なぜ読まれつづけたのか
書物の交流史として
「忠孝」の理想とそのジレンマ
第一章 書物の誕生と鄭玄による体系化ーー漢代まで
儒教経典はどうかたちづくられたかーー孔子とその弟子、曾子との問答
「仁」と「順」と「孝」
四書五経と『孝経』
漢代の学術と儒学
皇帝の学び・官吏の学び
『漢書』「藝文志」から分かること
孔子の旧宅から見つかった『古文孝経』
「古文vs今文」--儒学史の幻想
『今文孝経』と『古文孝経』は章構成が異なる
鄭玄による儒学の体系化、テキストと注の一体化
鄭玄の『孝経』注釈が成し遂げたこと
鄭注の普及
テキストは変化する
日本で再発見された鄭注ーー『群書治要』という書物
第二章 『古文孝経』と孔安国伝の謎ーー魏晋南北朝時代
反「鄭学」の台頭ーー漢代以後の儒学史の流れ
「経学」と「実学」の並立体制
孔安国による『古文尚書』『古文孝経』注釈ーー孔伝
魏晋南北朝期の朝廷と『孝経』
貴族たちの祈り
孔伝の再出現
隋の文帝と蘇威
絶好の資料ーー劉ゲン『孝経述議』
日本で流行する孔伝
太宰春台の校定本が中国に逆輸入される
孔伝と『管子』
相互性の重視と人間の自然的感情
孔伝と『孝経述議』は何をもたらしたか
第三章 テキストが確定されるーー唐、玄宗御注の成立
石台孝経と開成石経
今日まで伝わるテキストの確立
唐代の儒・仏・道三教並存体制ーー『孝経』『金剛般若経』『老子』
『五経正義』--標準テキスト編纂の意味
「革新」と「伝統」のせめぎあい
劉知幾vs司馬貞
玄宗皇帝自身による注釈
開元と天宝、二度のプロジェクトーー激動の玄宗朝
『孝経注疏』--玄宗御注と元行沖疏
経典と『経典釈文』の印刷ーー北宋の整理(一)
邢昺疏ーー北宋の整理(二)
開元本は日本にのみ遺るーー文献伝承における「累積」と「上書き」
鄭注・孔伝から御注へ
第四章 使われる経典にーー宋から明清へ
古文の復活
古文の分章・章順序
注から評へ
鄭注と孔伝の散逸
朱子の『孝経刊誤』
『孝経刊誤』の余波
董鼎・呉澄
民間への応用
明清皇帝の聖諭
明末の『孝経』復興運動
黄道周
清代の議論と研究
江戸時代の『孝経』研究
鍬形恵斎と葛飾北斎
鈴木順亭と林秀一
第五章 『孝経』を読んでみよう
主要参考文献
図版出典一覧
あとがき