19世紀、『悪魔』と呼ばれた伝説のヴァイオリニストが実在した。その名は、ニコロ・パガニーニ。
超絶技巧で観客を熱狂させ、ショパン、リスト、シューベルトといった名だたる天才作曲家たちをも虜にした彼の存在は、ヴァイオリンだけでなく、ピアノの技術発展にも影響を及ぼした。
しかし、そんな華麗な伝説の陰で、パガニーニ本人の素顔は謎に包まれたままだった。
「酒と女と博打に溺れたダメ人間」、「金のためなら何でもする守銭奴」。
『悪魔』というレッテルだけが、200年近くも一人歩きしていたのだ。
ーーそれって、本当なのかな?
本書の著者・やまみちゆかは、そんな疑問から当時の手紙や文献を徹底的に調べ上げ、意外な真実にたどり着く。
なんと彼は、現代のイクメンもびっくりの、"息子溺愛シングルファーザー"だったのだ。
謎めいた天才ヴァイオリニストの素顔に触れれば、「音楽史の偉人」だった彼が、いつの間にか身近な「愛すべき人」に変わっているはず。思わず笑えて、ほろっと泣けてーーページをめくるごとに、パガニーニへの親しみが増していく。読み終えた瞬間、あなたもパガニーニの音楽を聴きたくなるーーそんな魅力が詰まったハートフル音楽コミック。
クラシック音楽に詳しくなくても、読み終わる頃には少しだけ毎日が楽しくなる、心がじんわり温まる一冊です。
目次:
第1章 鬼才ヴァイオリニストの誕生
第2章 満たされない心と葛藤
第3章 父と子、ヨーロッパツアー編
第4章 大好きなお父さんへ
パガニーニにまつわるコラム/おまけ漫画/年表
『漫画 パガニーニ』ができるまで
おわりに
参考文献
*本書はWEBで掲載されていた漫画に、大幅な加筆修正・追加エピソードを加え書籍化したものです。
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